優しいカレの切ない隠し事


仕事が終わったのは21時過ぎ。

今は落ちついてる時期だし、聖也も自由がきくらしく、22時前には会えたのだった。

わたしたちが待ち合わせた場所は、中心地から近い場所にあるフランス料理のお店。

個室が用意されていて、ゆっくりと過ごすことが出来た。

そして、コースの美味しい料理を堪能した後、聖也が切り出してきたのだった。

「さて、落ち着いてきたとこだし、本題に入るか。教えてくれるんだろ?3年前のこと」

「う、うん」

今夜はその為に会っているというのに、いざとなると尻込みしてしまう。

だけど、話さなきゃ。

圭介のこともあるんだし。

一度大きく息を吸い込んだ。

「わたしね、3年前、聖也のお母さんに別れて欲しいって言われたんだ…」
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