優しいカレの切ない隠し事


二人並ぶと絵になるイケメンぶりなのに、複雑な関係なのが皮肉過ぎる。

出てきた圭介は険しい表情のまま、デスクへ着いた。

一体、どうなったんだろう。

きっと、話があると思うんだけどな。

圭介から目を離せないでいると、涼太さんが近付いてきて、栞里さんに声をかけてきたのだった。

「栞里、ちょっと…」

話があるのか、声をかけてきた涼太さんに、栞里さんは軽く反応すると、今度は二人が別室へと消えて行った。

「なんか、二人絵になるよねー」

「憧れるー」

なんて、圭介との関係を知らない皆は、栞里さんたちの噂話に色めき立っている。

圭介にとっては、こんな噂話って複雑だろうな。

気になって、もう一度圭介を見てみると、どこを見つめているのか、ボーッとしていた。
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