優しいカレの切ない隠し事
新しい道
聖也の結婚は、世間でも大々的に取り上げられ話題になった。
どうやら同じ歳で、地主の娘さんらしい。
写真で見た限りでは、ほっそりとした可愛いらしいタイプだ。
「また、ネットを見てる。聖也さんの結婚、やっぱり気になるか?」
圭介に声をかけられ、慌ててパソコンを閉じた。
「ううん。ごめん。そうじゃないんたよ?今は二人きりの時間なのに、こんなの見てちゃダメだね」
さすがに、圭介の部屋で見るものじゃない。
慌てて笑顔を取り繕うと、圭介は不満げに口にした。
「気になるならなるって、正直に話してくれた方がいいけどな」
「気になってなんかないよ。ちょっと見たかっただけ。聖也の行く末が、気になると言えばなるから」
そう言い訳をしたわたしに、圭介は苦笑いを浮かべる。
「まだ気にしてるのか?海外勤務の件」
「当たり前じゃない。わたしのせいでダメになったんだもん」
チラッと顔を上げると、すぐに目を伏せた。