優しいカレの切ない隠し事
しばらく背中に頬をくっつけていたわたしは、そっと体を離した。
「じゃあ、寝ようか圭介。明日も忙しいもんね。わたしは研修もあるし、とうとう徹夜かなぁ」
リビングへ入り、ベッドルームへ向かうわたしを、今度は圭介が後ろから抱きしめてきた。
「圭介?寝るんじゃなかったの?」
「うーん…。そのつもりだったんだけど、明日徹夜なら今夜しか陽菜を抱けないなと思って」
「え…?」
わざと耳元で囁くんだから。
わたしが、圭介の声に弱いのを知ってて…。
「じゃ、じゃあ、仕事が落ち着いた後でもいいんじゃない?今夜は遅いし」
「ふぅん。陽菜は本当にそう思ってるのか?」
「お、思ってるよ」
「へぇ。その割りには、もう息が上がってるじゃん」
意地悪く言った圭介は、わたしを抱き上げるとベッドへ下ろし、キスをした。