優しいカレの切ない隠し事
圭介と涼太はライバル関係!?
眠い!
とにかく眠い!
「陽菜ちゃんも眠そうね」
朝のオフィスであくびを噛み殺していると、栞里さんに笑われた。
「も?ですか?」
あくびを噛み殺しても涙は出るらしく、さりげなく目頭を抑える。
その姿に、栞里さんは声を出して笑ったのだった。
「さっき、課長に給湯室で会ったんだけど、大あくびをしてたわよ?」
「アハハ…。そうですか」
ここはもう苦笑いしかない。
何せ、ほとんど寝てないのだから。
「本当に仲がいいのね。羨ましい」
「そんな。栞里さんにだって、素敵な人がいるじゃないですか。あ、そうだ。今日の研修のオブザーバー、彼氏さんなんですよ?」
わたしには、眠気も吹っ飛ぶ研修があるから大丈夫。
それに、栞里さんの彼氏さんに会える楽しみもあるし。
だけど、盛り上がると思っていた栞里さんは、顔を強張らせたのだった。
「栞里さん?何かあるんですか?圭介と同じ反応ですけど…」