優しいカレの切ない隠し事
愛する人の裏切り
マンションに着いた頃には、東の空がうっすら明るくなっていた。
そして、着替えてベッドに入った圭介は、あっという間に眠りについたのだった。
「わたしがいなくても、ちゃんと眠れてるじゃない」
クスッと笑ったわたしは、圭介に布団を掛けると部屋を後にする。
久々に帰るマンションが懐かしい。
最近はずっと圭介のところへいたから。
タクシーに乗り込み自宅へ戻ると、わたしもあっという間に眠りについたのだった。
……うん?
どこからか、電子音が聞こえる。
うるさいなぁ。
せっかくいい気持ちで寝てるのに。
一体何の音?
全く鳴り止まないその音が、スマホの着信音だと分かると、一気に目が覚めた。
「誰だろ!?」
仕事を急に休みにしたから、もしかして会社から?
そう思と眠気なんて吹き飛ぶ。
そして着信を確認すると、それは圭介からだった。