優しいカレの切ない隠し事
17時からは、定例ミーティングがある。
といっても、原稿作成に余裕がある時だけ。
そしてこの時間は、わたしにとってテンションの上がる時間だった。
「じゃあ、次の企画は宿にしようか?季節もいいことだし、夜の露天風呂が綺麗な場所を紹介するっていうのは?」
ミーティングルームで、編集部7人が丸テーブルを囲む。
そこで圭介と栞里さんが、ミーティングの進行をするのだった。
栞里さんの提案に、がぜん、わたしのテンションはMAXになる。
「それ、いいと思います!賛成!」
身を乗り出す様に手を上げると、みんなに笑われてしまった。
その光景に、栞里さんも小さく吹き出す。
「陽菜ちゃんはロマンチックな企画が好きよね。じゃあ、この企画は陽菜ちゃんにやってもらおうかな?」
「えっ?いいんですか?そんなにアッサリ決めちゃって…」