優しいカレの切ない隠し事
ビクッと思わず体が跳ねてしまうほど、圭介は乱暴に車のドアを閉めた。
ヤバイ…。
かなり機嫌が悪い。
「陽菜、どういう事か説明してくれないか?」
「えっ?どういう事って…?」
エンジンをかけた圭介は、そのまま車を走らせたけど、運転が乱暴過ぎて体がよろめく。
「だから、聖也さんのことだよ。何だ?プロポーズって」
「それは…」
何で、わたしがこんなに問い詰められているんだろう。
こっちだって聞きたいことはヤマほどあるのに。
「それが理由か?」
「理由って?」
「オレとの同棲を断った理由だよ」