優しいカレの切ない隠し事


わたしを誰にも渡さないって、本気で言ってるの?

自分の方が、どこかに飛んで行こうとしてるくせに…。

「お願い、やめて!やめてよ、圭介」

ベッドの上でもがくわたしを、力ずくて抑え込む。

そんな圭介が怖いと思う反面、どこか望みを持とうとする自分がいるのだった。

そんなにわたしを繋ぎ止めたいなら、栞里さんのことをちゃんと話してよ。

そして、ちゃんと言って。

わたしだけを好きだって。

今も未来も…、それに過去も含めて。

誰よりも、わたしだけだって…。

「おとなしくなったな。やっと観念した?」

「わたし、こんなの感じないから。それでもいいなら、やればいいじゃん。
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