優しいカレの切ない隠し事
精一杯の強がりを言ってみたのは、真実が何か分からないまま、圭介の思うようにはなりたくなかったから。
それに、よく言ってるもん。
セックスをする時、感じるわたしを見ることに感じるって。
だったら、やめてくれるかなって思ったけれど…。
圭介の表情は、みるみる強張ったのだった。
「じゃあ、好きにやらせてもらうよ」
「えっ?」
乱暴に塞がれる唇に、荒く触れられる体に、抵抗する余地はなかった。
それは、さっきまでの圭介を拒む気持ちより、失望というか絶望というか…。
圭介の気持ちが、何も分からなくなったから。
そして、分かったことがある。
わたしの気持ちも、何も伝わってないと…。