変わらないモノ
「わかった」

沈黙を破ったのは樹。

「何よ?」

「今度何か奢る!それで手を打たないか?」

何を言い出すかと思えば…物で釣ろうとは…。

「もう諦めて自分でやりなさいよ。英語苦手なのは分かるけど…」

あたしはノートを鞄に入れようとした。
そんなあたしに樹は

「フルーツパフェ…」

と呟く。

「葉月の大好きな夕幻堂のフルーツパフェ奢ってやろうと思ったのに…」

ちらりとあたしを見る。
夕幻堂のフルーツパフェ…
その言葉にあたしは手を止めた。

「それ、ホント??」

樹に聞き返す。

「ああ。見せてくれるならな♪」

にっこりと笑いながら樹は言った。

「ま、まぁそれなら見せてあげてもいいかなぁ〜」

「ホントか??」

「うん。その代わり、明日の放課後パフェ奢ってね」

樹にノートを渡す。

夕幻堂のフルーツパフェには弱いんだよねぇ…あたし。
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