変わらないモノ
「そーいえばお前、さっき何やってたんだ?」

「え〜?」

ノートを写し始めてから少しして樹はそんな事を訊いてきた。

「さっきね〜飛行機雲見てたの」

「飛行機雲〜?おめぇも暇人だな」

「うっさいわね。いいじゃない」

「まーいいけどよ〜」

「…そーいえばさぁ」

「ん〜?」

「昔よく見たよね?みんなで」

「飛行機雲を?」

「うん。朔兄と航ちゃんと光と樹とあたしで」

「あ〜見たかもな。あの頃は何でも珍しく感じたもんな」

懐かしさに浸りながら樹は窓の外を見た。

「あっ!」

「ん、何?」

「雨だ」

「えっ!?」

その言葉にあたしも窓の外を見る。
すると樹の言った通り雨が降っていた。
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