君の名前
1.王子様
「よし、出来た」
誰もいない放課後の教室。
私は一人黒板の前に立ち
日直としての仕事をしていた。
もうひとりの男子は
日直ということを忘れているのか
気づいた頃にはいなくなっていた。
まぁでも、一人でいる方が好きだし
これは良かったのかな?
黒板消しを窓の外で
パンパンとはたきながら
そんなことを思う。
私の日常といえば
一人でほのぼのと暮らすこと。
特定の友達なんていない。
挨拶とか何か話しかけられたら
それには返すけど、あまり
深いところまではいかない。
多分、周りから見れば
誰とでも仲良く出来る女の子。
でも自分からすればそれは
友達がいなくて返答するただの女だ。
自分が好きでやっているのだけれど。