君の名前
「あ、王子様だ」
ふと校門に目を向けた時
女の子と歩く男子を見つけて呟いた。
栗色のふわふわした髪に
白く透き通った陶器のような肌
目はアーモンド形をしていて
その瞳の色は髪と同じ色
その目を飾る長い睫毛は
遠くから見ても分かるほど
形の良い魅惑的な唇
身長は高い方で華奢な体つき
彼はまるで人形のようだ
と、誰かが口にするのをよく聞く。
今初めて、じっくり見てみて
本当にそうだなぁと思った。
でも少し怖い感じがする。
人間離れした容姿も
彼をまとう雰囲気も
自分にとっては全て毒だ。
気付いたら魅了されている感じ。