君の名前

そんな彼のことを
学年も名前も分からないので
私は勝手に王子様なんて呼んでいる。

学校のみんなから噂を聞くけれど
悪口なんて聞いたことがないから。


全てにおいて完璧な人、王子様。


そんな隣を歩く女の子の頬は
赤く染まっている。


彼女さんかな?


私は幸せそうな女の子に
これからも続くことを祈った。


明日はきっと王子様の
彼女さんのことで噂がいっぱいになる。

今まで彼女さんができたとか
王子様が女の子と歩いてたなんて噂
耳にしたことがないから。


私はそんな見えない明日を
予想しながらはたき終わった黒板消しを
中に引っ込めて窓を閉めた。


その光景を王子様が
見ていたとも知らずに……

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