君の名前
少し思考が停止して
今の状況を把握しようと
頭を一生懸命働かせようとする。
さっきの叫び声は
この王子様が現れたからだろう。
王子様は私の机の前に
完璧な笑みを浮かべて立っていた。
そして
私の名前を尋ねてきた。
ああ、意味がわからない。
「どうしたの?
そんな死人を見るような
目をしないでほしいな」
苦笑した姿も王子様。
「どうか、しましたか?」
私の口から
やっとでた言葉は
少し震えていた。
どうして私の名前を
尋ねてきたのか分からない。