貴方の心フル受信
 とんだ災難だ。


 指にホッチキスの針が刺さったあげく、保健室の先生を探し回るはめになるとは。



 私が教室から出て、だいぶ時間がたった。





『さて、帰ろうかな』



 誰もいないであろう教室のドアをあけた。





「おせぇ…」





 教室のドアをあけた瞬間にかけられた声。



「は?なんでいるのよ」



 奴がいた。



「もう暗いだろ。送ってく」


「別にいいし」




 私がそう言うと奴は「ハァー…」とため息をついて言った。



「お前が事故ったりして、俺にとばっちりがきたら困る」





 自分のためかよ。


 ちょっとは見直したのに。






 なんか、損した気分だ。
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