貴方の心フル受信
結局私は『好き』というせりふを完成させることができないまま、本番を迎えることになった。
朝、学校に来るとみんなで最後の打ち合わせをした。
けれど
奴とは朝から目すら合わさなかった。
いや、合わさなかったんじゃない。
奴が合わそうとしなかった…―--
「じゃ、しっかりがんばっておいで!!」
未亜に背中を押され、私は舞台に出た。
まぶしいライトが、私を頭上から照らす。
会場には、たくさんの生徒と一般客。
私はちゃんと『好き』をいえるのだろうか…