キヲクの片隅
帰り道
「ごめん!今日委員会あるんだった!」
そう言って舞花はバタバタと慌ただしく廊下を走って行った。
今日は一緒に帰る約束をしてたけどそれならしょうがないか。
僕は一人で先に帰る事にした。
最近買ったお気に入りのスニーカーを履きながら、
帰ったら今日は何をしよう…。
と考えるのが僕の下校する時の決まり。
本当のところ、いつも家に帰ってもやることなんてないんだけど。
はあ…と、小さな溜め息をついた。
「よ、溜め息してると幸せ逃げるぞ!」
翔がニヤニヤした顔で僕の背後から声をかけてきた。
「や、家に帰ってもすることなんて勉強くらいだなーって」
「また勉強かよ。あんまやりすぎると頭カチカチになるぞ」
俺には勉強やりたくなる気持ちがわからねえ。と翔は言った。
僕は趣味も特にないから勉強くらいしかすることがないのだ。
だけど勉強は嫌いじゃない。