キヲクの片隅
シャワーを浴びながら僕は考えていた。
ひとつの疑問が生まれたからだ。
目を閉じながらその声を思い出す。
あれは翔ではない。
じゃあ誰なんだ?
体をさっぱりさせて風呂から出る。
スウェットのパンツを履き、Tシャツを着てタオルを首にさげて部屋に戻る。
部屋にはテレビを見ながら来る時に買ったであろうスナック菓子を食べながら、のんびりくつろいでいる翔の姿。
「お、やっと出てきた。この番組すげーおもしろいからお前も見ろよ」
テレビを見てケラケラ笑う翔。
僕もテレビの前に腰をおろす。
そして翔に疑問をぶつけた。