キヲクの片隅

「ん、あぁ…どうしたの?」

今は昼休み。
呆けていた僕の小さな声は、周りの騒音に今にも掻き消されそうだった。

「優人、人って死んだらどうなると思う?」

僕の目を真っ直ぐ見ながら舞花は楽しそうに話す。

とゆうか、いきなりのそんな質問に思わずびっくりしてしまい、僕は目を丸くした。

少しの間黙っていると、舞花は急かす様に「ねぇねぇ」と言ってきた。

そんな事考えたこともなかった。
考える程興味が湧く内容でもないし。

僕は考える…振りをする。

「ん~…」と、少し眉間にしわを寄せて演技をする。

そして適当に答えた。



「何も残らないんじゃない?」

僕のさっぱりした答えに、舞花は少し不満そうな顔をした。

だってそうだろ?
死んだ人間なんて灰になって終わりだ。

まあ、残るのは墓くらいか?

「違うんだなー」

人差し指を左右に振りながら、舞花は得意気な顔をしている。

「じゃあ、どうなるの?」

興味もないがとりあえず聞いてあげよう。
きっとスルーしたら舞花はふてくされてしまう。

「しょうがないなー、教えてあげる!」

舞花は僕が答えを求めている事に喜んだ。

まあ、なんだか少しは面白そうな答えが返ってきそうだし、聞いてみるか。

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