キヲクの片隅
帰省
「ん…」
次の日の朝。
僕は太陽の光で目が覚めた。
目を軽く擦りながら上半身を起こす。
少し離れた場所で翔はまだ眠っていた。
時間は朝八時。
まだ、寝かせててもいいかな。
僕は歯を磨き顔を洗う。
パーカーを羽織り、鍵と携帯と財布を持って近くのコンビニへ。
休日のコンビニはお出掛け前の家族連れやカップルで、いつもより賑やかになっていた。
僕は人混みに紛れ飲み物とパンを手に持ちレジへ向かう。
レジにはアルバイトの女の子。
「いらっしゃいませ。いつもありがとうございます」
その女の子はニコッと笑って微笑んでくれた。
僕は毎日のようにこのコンビニへ飲み物なんかを買いに来る。
いつのまにか顔を覚えてもらっていて、とくにこの女の子にはよく接客してもらっている。
「今日は朝早いんですね」
テキパキと商品を袋に入れながら言う。
「うん、友達が来てるんだ」
「そうですか。楽しい休日になりそうですね」
「またお待ちしております」と言いながら商品の入った袋を僕に渡してくれた。
いつも気持ちの良い接客をしてくれる女の子に僕もお礼を言う。
「こちらこそいつもありがとう。また来ます。お仕事頑張って下さいね」
僕がニコッと笑うと女の子が頬を染めた。
あれ?何かおかしい事言ったかな?
風邪でも引いてるのかな?
僕は軽く会釈して、コンビニを出た。