キヲクの片隅
一枚の写真
僕は勢いよく玄関のドアを開けた。
「じいちゃんただいま」
「じいさんやっと優人見つかった」
家の中にはのんびりお茶を飲みながらくつろぐじいちゃん。
「おお、優人か!おかえり」
僕らに気付き笑顔を向けてくれる。
やっぱじいちゃん、いいなあ。
僕は自然に頬が緩む。
じいちゃんの笑顔は本当に安心する。
「翔くんも、優人を探してもらって悪かったねえ。ありがとなあ」
「全然いいよー。それよりじいさん、俺も茶ーくれ!」
「はいよ」
じいちゃんと翔は仲良しだ。
僕はこっちには住んでいないから、翔が僕の代わりにじいちゃんの様子をたまに見てくれている。
二人が仲良さそうに話しているのは僕も嬉しい。
「優人、翔くん。握り飯と味噌汁食うか?」
「うん、食べるよ」
「あー俺も。腹減った~」
「すぐ支度するからなあ」