キヲクの片隅

「ま、そんなことは置いといて!」

舞花がニコニコ笑っている。
どうやら本題はここかららしい。

「優人、夏休みどっか行くの?」

え、夏休みの話?
まだ5月だよ?

「ん~、じいちゃんの家に行くくらいだから…ほとんど家にいるかな」


舞花はコロコロと、話や表情を変える。

最初は喜怒哀楽が激しい舞花が苦手だった。
だけど僕は口下手だから、次々にたくさんの話をしてくれる舞花に今では助けてもらっている。

こんな僕と居て楽しいのかな?と、たまに思う事はある。

舞花みたいに明るい子は僕みたいに静かな奴よりも、もっと一緒に居てはしゃげる人がいいのでは?

だけどそれでもこの一年半、ずっと僕の隣に居てくれた。

スッと切れ長な目にスッキリとした顔まわり。
そんな顔に良く似合うショートカット。

例えるなら…猫?

まあ、僕は自分の好みのタイプとか良くわかっていないから、舞花が僕の好みなのかどうかはわからない。

だけど一緒に居て笑わない事はないし、外見も中身も可愛いと思ってる。

こんな僕みたいな奴の隣に居てくれる事に本当に感謝している。
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