キヲクの片隅
「それはそうと優人さん。こんなところで何を?」
「あ、少し散歩を」
「そうですか。今日は少し冷えますので風邪を引かないようにして下さい」
「はい、そうですね…」
そういえば神矢さんって…
「神矢さんはここの神主さんですか?」
「…ええ、まあそんなとこですかね」
優しく笑っている神矢さんを眺めながら僕は考えていた。
神主さんとこんなに喋れる機会はそんなにないんだろうな。
でも神社に関係あるのかな…?
「神矢さん。ひとつ話を聞いて欲しいんですけど…いいですか?」
僕は聞いてみることにした。
「はい、もちろんですよ」
「幽霊って…いるんですか?」
「幽霊ですか?」
神矢さんは少しの間、ん~と渋い顔をして考えていた。
僕は黙ってその答えを待つ。
やっぱり変な質問だったかな…。
「優人さんはどう思ってます?」
「俺…ですか?」
いきなりの質問返しにすこし驚いてしまった。
「ずっと、そういうのは信じてなかったんです」
「ほぅ…」
「だけどさっき俺の祖父がおかしな事を言ったんです」
僕はさっきあった出来事を、神矢さんに伝わるようにゆっくりと説明した。
それは、じいちゃんがばあちゃんにもう一度会ったとゆう話。