キヲクの片隅
「やっぱおかしいですよね、そんなの」
ははっと僕は笑う。
「そんなことはないですよ」
神矢さんは僕の方ではなく、すっかり暗くなった空を見上げながら言った。
「優人さん。死んでしまった者達はどうなるとお思いで?」
最近どこかで聞いたような気がする。
僕も星が広がる空を見ながら神谷さんの質問に答えた。
「何も残らないと思います。死んで、燃えて、灰になって終わりです」
「では、魂は何処へ?」
「…魂…ですか?」
「ええ、魂です。魂は何処へゆくと思いますか?」
僕はキョトンとしてしまった。
魂か…
考えた事もなかった。
きっと目を丸くして、口は少し開いていたに違いない。
「そんなに難しい顔をしないで下さい」
神矢さんは苦笑いを浮かべながらも話を続けた。