キヲクの片隅

「うん、やっぱ優人は名前の通り優しいね!」

舞花がニカッと笑う。

「優人のそうゆうところ好きだよ!」

舞花がいきなり「好き」なんて言うから、頬が少し熱を持ってしまった。

舞花は思った事をストレートに伝えて来てくれるから、たまに恥ずかしくなる事もある。

だけどそれが舞花の素敵なところ。

好き嫌いがハッキリしていて、彼氏の僕にもズバズバ思った事を言ってくる。

少し前になんだかだるくて授業をサボろうとした時は、僕の制服のネクタイを引っ張りながら

「学校は勉強するところなの!頭がいいからってサボるな!」

と言われて教室にズルズルと連れ戻された。

教室で二人で話している時には、

「ねえ、髭生えてるよ」

「あぁ、昨日剃り忘れた」

「ぜんっっぜん似合わないね!それに汚い!」

なんて言われたこともあったり。
他にもまだ色々あるけど。

僕は全然嫌だとは思わないし、むしろはっきり言ってくれるから嬉しい。

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