泣く心【本編】
慎「……川?…湊川!」



突然、大声で叫ばれて気がついた


えっと…今は…




目の前には神奈川くんの怒った顔


またか…



もう恒例化している同じような顔にうんざりしていた



慎「何で教室に戻ってんだよ」


なんでって…

そんなの知らないよ



思わずため息をつきそうなのをぐっと堪え

口元だけ笑って何でもないと返す


どうせ目は見えないから私が作り笑いしてるようには見えないだろう



慎「…そうか」



私の答えに不服そうな表情をするも追及はしてこなかった



ー…授業が始まる


私は毎授業受けている

でないと成績が取れないから



神奈川くんたちは居たり居なかったり

私が授業を受けることに関しては何も言ってこない


ただ朝やお昼、放課後は一緒にいないといけないようだ



ノートを取りだそうとした時

整頓されている私の机には似合わない、カサリと音がした


取り出すとぐしゃぐしゃに丸められた一枚の紙


この中身の内容を私は見なくても分かった


何故なら毎日入っているから








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