泣く心【本編】
廊下を平然と歩くにはかなりの集中力がいった


何も考えないと何度も唱えて



漸く辿り着いた教室で自分の席に座ると

続いて脚に痛みがはしった



今、初めて自分がバカだと認識した

警戒していなかっただけに痛みを我慢するのにも一苦労だ



一人俯いて耐えていると



左腕を掴まれて立たされる


何事かと隣を見れば神奈川くんがいた


少し強引に引っ張られて連れ出される



ていうか、速い…!

痛い…!



後ろからはメンバー皆が付いてきていた


下手に身体に手を当てられない

拳を握りしめ目を深く瞑った



意識を飛ばして

何も考えない


ただひたすら意識を遠ざけた











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