泣く心【本編】
私は必死に勉強して

一日のほとんどを勉強に費やしていたのに


あっさりと越えられてしまった


…今となっては良い点数をとる理由もなくなりかけているけど


ここは不良校といってもテストは簡単ではない


900人近くいる全校生徒の中でも赤点が大半だ


赤点者には膨大な量の課題が課せられると言う

期間は一週間


出来なかった者には恐ろしい不良校ならではのお仕置きが待ち受けているらしい



このテストで満点を取るのは容易ではない


だからこそテストの結果は私が唯一誇れるものだったが

今ではそれもなくなってしまった



恭「問1。アメリカの初代大統領は誰か」


類「………っ」



え……

そんな簡単な問題あったの?



恭「ほら答えが出ただろう。バレバレな嘘はつくな」



類「嘘なんかじゃ…」



恭「じゃあその勉強しなかった時間は何をしていたのか」



類「…………」



落ち着け…


沖田先生が私の反応を窺っていることは見てとれる


おおよそ見当もついているのだろう







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