泣く心【本編】
慎「お前の目が…闇に染まっていた」



舞「っ……!」



目が…闇に…



舞「そんなのあんたらには関係ないじゃない!」



彼「…そうだね」



珍しく、ていうか初めて声を荒げたあたしを皆、目を見開いて見つめていたが


彼方だけは冷静に呟いた



彼「今は…ね。だから僕らは舞ちゃんのことを知りたいんだ」


舞「なにそれ…」



知ったところであなたたちとあたしは敵同士


仲良くなんてなれない



彼「今すぐ話せなんて言わないよ。ただ、一緒に居たいと思ったんだ」



「僕はね」と付け足した彼方。その笑顔に何だか救われる気がした



虎「僕もだよ~。僕らのこともたくさん知ってほしい!」



健「同じくだな」



他の二人は無口なのか頷くだけだったが

信じてみても…いいのかな



舞「あたし…」



姫にはなれないけど
仲間以外にも人を信じたいと
この人達を信じたいと思った



舞「皆と過ごしてみたい」



この忌み嫌っていた学校生活を変えるきっかけになるとしたら


彼「これからよろしくね」



この笑顔を隣で見ていられるのなら

信じられると思った









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