吸血鬼と魔法使い
魔法使いの事情
絆愛side
「---ついにこの時がやってきたか…」
私、天宮絆愛[Kurea Amamiya]は
普通の人間ではな い。
100世紀も前に栄えていた、偉大なる魔女スピアの 唯一の末裔である。
だから魔法が使える。
しかし、私はこの力を巧く使いこなす事
が出来ない。力が強すぎるのだ。
…というのは謙遜で、実際結構巧いと思う。
ただし、普通の人間に見られてはいけない
という掟があるため普段は使っていない。
私には唯一無二の友人がいる。
彼女は所謂普通の人間で、
容姿端麗で性格も完璧な奴だ。
彼女の名前は神崎恋憂[Koure Kanzaki]。
恋憂は私が特別な力、
即ち魔法を使えることを唯一知っている。
恋憂の前で魔法を使うことは
許されている。 唯一の友達だからな。
そんな私は今、恋憂と私に降りかかる
試練に立ち向かおうとしている。
魔法は…どうするか悩んでいるところだ。
取りあえず今は、代々伝わる方法で試練に立ち向 かおう。
私はティッシュを3枚ほど取り出し、丸めた。
そして呪文を唱える。
「聖なるモノよ。」
「降り注ぐ水を止めなさい!!」