時に、大気のように、香る
エピローグ
 

 どんな香水よりも、コロンよりも、シャンプーよりも、柔軟剤よりも、俺にとって魅力的な香りは大好きな彼女の皮膚から感じるあの、あたたかくて、やわらかくて、全身から発しているような得も言われぬ甘い香り。


 きっと彼女の全身から湧き立つあの香り以外に俺に幸福感を与えてくれる匂いはあり得ない。

 
 あざといくらいに香る彼女の全身から発されるあの春の大気のような匂いに、俺は一生満たされていたい。

< 7 / 8 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop