矢野さん
佐渡さんが持っていた書類がバサバサっと辺りに散らばってしまった
「す、すみません」
慌てて書類を拾う俺に佐渡も「此方こそすいません」と言い一緒に書類を拾いだした
2人で全て書類を拾い自分が集めた書類を佐渡さんに渡す
「あら?」
何かに気付いた佐渡さんが、その垂れた目で俺の胸元をじっと見つめている
「なに?」
何か付いているのかと自分の胸元を見てみる
「そのネクタイ、ドット柄かと思ったけどよく見るとフラワーモチーフになっているのね。フフ、お洒落ね」
そう笑うと佐渡さんは自分の席へ戻っていた
「……」
ネクタイを手に取り眺める
これはあの日――
送った帰りに矢野が俺にプレゼントしてくれた物だ……。矢野の事は考えないように過ごしていたけど、貰っておいて付けないのは申し訳なく思えて気分転換に付けてきた。
ベースカラーのネイビーにドットのレッドカラーがさりげなくアクセントになっていて、シンプルだがお洒落だった。
なんだか誉められた様な気分で嬉しくなる。
さっきまで仕事に集中出来なかったのに、急にやる気が出てきた
きっとこう言うのを単純バカって言うのだろう
「す、すみません」
慌てて書類を拾う俺に佐渡も「此方こそすいません」と言い一緒に書類を拾いだした
2人で全て書類を拾い自分が集めた書類を佐渡さんに渡す
「あら?」
何かに気付いた佐渡さんが、その垂れた目で俺の胸元をじっと見つめている
「なに?」
何か付いているのかと自分の胸元を見てみる
「そのネクタイ、ドット柄かと思ったけどよく見るとフラワーモチーフになっているのね。フフ、お洒落ね」
そう笑うと佐渡さんは自分の席へ戻っていた
「……」
ネクタイを手に取り眺める
これはあの日――
送った帰りに矢野が俺にプレゼントしてくれた物だ……。矢野の事は考えないように過ごしていたけど、貰っておいて付けないのは申し訳なく思えて気分転換に付けてきた。
ベースカラーのネイビーにドットのレッドカラーがさりげなくアクセントになっていて、シンプルだがお洒落だった。
なんだか誉められた様な気分で嬉しくなる。
さっきまで仕事に集中出来なかったのに、急にやる気が出てきた
きっとこう言うのを単純バカって言うのだろう