矢野さん
 は?




 一瞬時間が止まったように思えた。

 固まった俺に笑顔で尚も続ける矢野。

「橘さんって自分の事イケメンとか思ってそうですよね。笑顔を見せれば女性が喜ぶとか思ってません?私からすると大した顔されてない上、笑顔が嘘臭くて気持ち悪いです」

 矢野は貯まってた物を吐き出すかのように言いたい事を言うと、近くにいた店員を呼びドリンクを頼んだ。

 大した事ない顔――?


 笑顔が気持ち悪い――?


 誰が――?


 俺が?








 はぁぁぁあああ!?

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