矢野さん
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――――――


「はぁ……」


ソファに仰向けで横になり片足を立て右手はダランとソファから垂らすと、左腕で目を覆う。


あの後、お互いギクシャクし会話も殆どしなかった


あの矢野の言葉が効いた


「俺だけは嫌、か……」


テーブルに置いた白いケーキ箱を横目で見る


まだ引き返せると思っていた――


今ならまだ矢野を諦めれると思っていたのに、違ったみたいだ


矢野の言葉に酷く傷付いてる俺は、もう完全に矢野に想いを寄せている

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