矢野さん
 矢野はなんでこんな奴と会ってんだよ!!


 こんなクズみたいな奴より俺は下なのかよ!?


 ――何なんだよ!!お前は矢野の何なんだよ!!


「――邪魔すんな!!」


 押さえきれない感情を剥き出しに、制止する吉澤を振り払おうとするが赤崎に腕を掴まれ動けない。


 男は掴まれていた胸元の服を整えると嘲笑う。


「何に熱くなってんのか知らないけど、さっきの話考えといてよ。じゃあ」


 男はそう言うと、反対方向へ歩き出した。


「待てよ!」


 そう叫んだが男は振り返らず片手を上げると帰っていった。
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