矢野さん
外に出ると身を斬る寒さに自然と体が縮こまる――。
3月に入ったばかりだがまだ春は遠いのだろう……。ふと空を見上げると冬の星座が綺麗に輝いていた。
久しぶりに見る星達にイライラも少しは和らぐ――。
俺の後ろを3歩ほど下がって歩く矢野。
勿論お互い会話はない。
今日は平日だが飲み屋が多く立ち並ぶ通りの為、人通りも多い。
離れて歩いているからたまに振り返ると矢野が人通りに紛れてわからなくなっている。
その都度立ち止まり矢野を待つ。
――チッ。
何やってんだよ。
はぁーとイライラと共に溜め息を吐くと小走りで矢野が流れる人通りから出てきた。
「あのさーわざわざ送ってあげるんだから並んで歩こうよ」
そう言うと矢野は明らかにムッとした顔をした。
「ならもう少しペース落として歩いてください」
フン!っと顔を思いっきり背けると俺を置いて歩き出した。
はぁ――?
ったく、なんなんだよマ·ジ·で!
片手で頭を掻きむしると矢野の後を追って歩きだした。
3月に入ったばかりだがまだ春は遠いのだろう……。ふと空を見上げると冬の星座が綺麗に輝いていた。
久しぶりに見る星達にイライラも少しは和らぐ――。
俺の後ろを3歩ほど下がって歩く矢野。
勿論お互い会話はない。
今日は平日だが飲み屋が多く立ち並ぶ通りの為、人通りも多い。
離れて歩いているからたまに振り返ると矢野が人通りに紛れてわからなくなっている。
その都度立ち止まり矢野を待つ。
――チッ。
何やってんだよ。
はぁーとイライラと共に溜め息を吐くと小走りで矢野が流れる人通りから出てきた。
「あのさーわざわざ送ってあげるんだから並んで歩こうよ」
そう言うと矢野は明らかにムッとした顔をした。
「ならもう少しペース落として歩いてください」
フン!っと顔を思いっきり背けると俺を置いて歩き出した。
はぁ――?
ったく、なんなんだよマ·ジ·で!
片手で頭を掻きむしると矢野の後を追って歩きだした。