矢野さん

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　花火大会から２日後、俺は見事に矢野に振られた。


　分かってた事だし、『ごめんなさい』 なんて覚悟してた。

　でも、ただ振られたならまだしも好きな奴がいると聞いた方がショックが大きかった。


　矢野好きな奴いたんだ……。


　どんな奴だろ………。


　ハァーと大きなため息を吐くと項垂れる。


「なぁ……橘どうしたの？」


　食堂で吉澤が、項垂れて灰になっている俺を見て赤崎に事情を聞いている。


「なんか知らないけど、昨日矢野さんに振られたらしいよ」


「え！？矢野さんに振られた！？」


　二人の会話が胸に突き刺さる……。


　振られた振られた言うんじゃねーよ。