矢野さん
「矢野さんさーちょっと失礼じゃないかな~?仮にも助けて貰った相手に」

 ひきつったままの笑顔で矢野を見る。

「助けて頂いた事とその嘘臭い笑顔は話が別です。それと、さっきから変な目で見るのやめてください」

「は?」

「ナース服が珍しいのか好きなのか知りませんけど舐め回すように見るのやめてください」

 プッチーン!

 限界まできていた何かが頭の中で弾ける音がした。

 確かに祐子さんのナース服姿は厭らしい目でいたことは認めよう――……だが!矢野は違う!!

 勘違いしてんじゃねーよ!俺は!俺は――!!

 溢れ出る怒りの感情に任せると気がつけば大声で叫んでいた。

「俺はなぁー!!セーラー服が好きなんだぁぁぁあああああ!!!」

 だぁ――ダァ――ダァ……静まり返った部屋にエコーが響き渡った様な気がした。

 矢野は驚いて目を丸くしたが直ぐに鋭い視線で俺を見た。

「サイテー……」

 軽蔑する目でボソッと矢野が言うと部屋を出ていった。

 バカか……。


 俺は………。

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