矢野さん
「あの、俺少し疲れたので横になります」

　そう3人に言うと痛みに顔を歪ませながらゆっくり横になった。

　矢野の話はもういい――……。

　でも多分他の人も、このおじさん達のように矢野と俺の関係を勘違いしているだろう。

　そう思うとため息がでた。

――――――――――
――――――

　昼食が終わると木村さんに喫煙できる所はないか聞いてみた。

　部屋を出た廊下を少し行くとエレベーターがありその横に吸える場所があると聞き、廊下の壁に設置された手すりを持ちながらゆっくりとした足取りでエレベーターへ向かう。

　時折すれ違う見舞い客や看護師に熱い目線を送られお得意の甘いマスクで挨拶をした。

　やっとの事でエレベーターに着くとその横にちょっとしたスペースがあり長椅子とテーブルが置いてあった。

　そのテーブルに灰皿1つ置いてあり、ちょっとした喫煙所になっている。

　そこにゆっくり座り煙草に火をつけた。

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