矢野さん
 シュンとして肩を落とす矢野を見て、はぁっとため息を吐く。


「じゃあ、今月の24日会う?」


「24日って……クリスマスイブ……?」


「仕事終わりに近場だけどイルミネーション見てご飯食べに行く?」


 俺の言葉に、さっきまでの落胆した表情からみるみる笑顔に変わる。


「行く!行きます!絶対行く!」


「じゃあ、多分俺の方が仕事早く終わると思うから迎えに行くよ」


「はい!」


 矢野は頬を染めて笑顔で頷く。


 あ、そう言えば――。


「話変わるけど、アイツはどうなったの?無事?」

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