矢野さん
「そっか。お見舞い行きますとか言いやがったら、頬をつねってやろうと思ったよ」
「え!?」
俺の言葉に矢野は慌てて両手を頬に当てた。
その仕草に思わず笑みが溢れる。
「じゃあ、24日。ここに迎えに来るから忘れずに」
「はい」
頬から両手を下げると笑顔で矢野が頷いた。
――――――――――
――――――
24日――クリスマスイブ。
定時になり早々に帰る準備が終わると、隣で項垂れる赤崎に声をかける。
「じゃあ、俺帰るけど……元気だせよ?」
「うるさい……早く行け……裏切り者……」
ふて腐れて、ブスッとした不満げな顔で俺を見ることなくパソコンに向かってそう言う赤崎。
何でも俺と矢野がクリスマスに会う事に刺激を受け、勇気を振り絞りクリスマスの日に会おうと祐子さんを誘ったのだが、「クリスマスは実家に帰って家族と過ごすから」と、あっさり断られたらしい。
街行くカップル達のクリスマスに浮かれた姿なんか見たくない!と、今日は残業して帰るとか……。
可哀想に……。
「え!?」
俺の言葉に矢野は慌てて両手を頬に当てた。
その仕草に思わず笑みが溢れる。
「じゃあ、24日。ここに迎えに来るから忘れずに」
「はい」
頬から両手を下げると笑顔で矢野が頷いた。
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24日――クリスマスイブ。
定時になり早々に帰る準備が終わると、隣で項垂れる赤崎に声をかける。
「じゃあ、俺帰るけど……元気だせよ?」
「うるさい……早く行け……裏切り者……」
ふて腐れて、ブスッとした不満げな顔で俺を見ることなくパソコンに向かってそう言う赤崎。
何でも俺と矢野がクリスマスに会う事に刺激を受け、勇気を振り絞りクリスマスの日に会おうと祐子さんを誘ったのだが、「クリスマスは実家に帰って家族と過ごすから」と、あっさり断られたらしい。
街行くカップル達のクリスマスに浮かれた姿なんか見たくない!と、今日は残業して帰るとか……。
可哀想に……。