矢野さん
 すると矢野は俺の胸に手をあて少し離れると、俺を見上げて来た。


 ――!!


 薄暗い中で上目使いで見つめてくる矢野に理性がブッ飛びそうになった。


 思わず矢野を力強く抱き締め再び自分の胸に矢野の顔を埋める。


 あっっぶねー!!今顔見たらヤバイ!


 危うく押し倒す所だった!!間一髪……。


 これが3ヶ月も続くのか……地獄だ……。


 ムラムラする欲望を押さえながら、矢野を抱き締めていると、再び俺の胸に手をあてるとゆっくり矢野が離れた。


「ありがとうございました……。じゃあまたメールします。おやすみなさい」


 照れたように言う矢野はそう言うと、ドアを開け車を降りた。


 手を振る矢野に軽く左手を上げ、合図をすると車を発進させた。


 それと同時に大きな溜め息が漏れた。

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