矢野さん
 軽く抱き締めたまま、右手でそっと矢野の頭を撫でる。


「俺の中では矢野さんが一番可愛いから。誰よりも君が好きだよ。だから、変な心配しなくていい……」


 頭を撫でていた手をそのまま流れるようにゆっくり降ろし矢野の左頬触れると、その手に矢野が左手を重ねてきた。


 矢野は安心した様な顔で俺が触れる左頬の方へ少し頭を傾けると「うん」と小さく答えた。


 その仕草も色っぽい顔も、俺の気持ちを更に高ぶらせる。


 左頬に手を添えたままゆっくり顔を近づけると、矢野も悟ったのかゆっくり瞼を閉じる。


 二人の唇が重なると、矢野を求める気持ちに拍車がかかる――。


 ついばむ様なキスから深く濃厚なキスに変わると、矢野はそれに必死に応えようとしてくれた。


「んっ……はぁ……」

 激しく深いキスに矢野の息づかいが漏れる。それを聞く度、身体が熱く反応する――。


 これは……イケる!!


 この流れだと最後までイケるんじゃね!?

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