矢野さん
 矢野の左頬に置いた手を離すと、矢野を軽く抱き締めたままゆっくり押し倒す。


 よっしゃ!イケる!!イケるぞー!!


 唇から首筋にキスをすると、矢野から熱い吐息と共に声が漏れる――。


 我慢出来なくなり服の上から矢野の胸をそっと触ると、慌てたように矢野が俺の胸に手を当てた。


「ダ、ダメ」


「ダメじゃない」


 押し退ける様に俺の胸に当てた両手を掴むと、矢野の顔の両サイドに押さえ付けるように置いた。


「まって!本当にダメなの!」


 必死な矢野を上からジッと見つめる。


「何がダメなの?」


「あの……今……せ、生理中……なの」


「……」


 矢野の言葉に一瞬時が止まる――。


 なん……だ……と?

< 393 / 419 >

この作品をシェア

pagetop