矢野さん
「この映画矢野さんも見たがってたよね?橘くんに誘われたんだけど、私今週の土曜仕事だから代わりに矢野さん行ってきなよ」
ちょっ!祐子さん!
「え?……でも」
矢野も突然チケットを渡され困った様子で俺と祐子さんを交互に見ている。
そんな矢野の様子を気にすることなく――。
「試写会だよ?いいなー。また感想教えてね」
そう言うと祐子さんは処置台を押して出ていった。
暫くしてはぁっと矢野のため息が聞こえた。
「すみません……。祐子さん少し強引な所があるので。……はい」
矢野が祐子さんから渡されたチケットを俺の前に差し出した。
「……」
矢野にチケットが渡ったのは大誤算だが……自分が渡した物が返ってくるのは釈然としない。
矢野はチケットを受け取らない俺を不思議そうに見ている。
「……いいよ。矢野さんにあげる」
「え?」
「……お礼」
その言葉に矢野はキョトンとした顔をした。
「祐子さんに聞いたんだ。俺が刺された時応急処置をしてくれたって……だからそのお礼にあげる」
ちょっ!祐子さん!
「え?……でも」
矢野も突然チケットを渡され困った様子で俺と祐子さんを交互に見ている。
そんな矢野の様子を気にすることなく――。
「試写会だよ?いいなー。また感想教えてね」
そう言うと祐子さんは処置台を押して出ていった。
暫くしてはぁっと矢野のため息が聞こえた。
「すみません……。祐子さん少し強引な所があるので。……はい」
矢野が祐子さんから渡されたチケットを俺の前に差し出した。
「……」
矢野にチケットが渡ったのは大誤算だが……自分が渡した物が返ってくるのは釈然としない。
矢野はチケットを受け取らない俺を不思議そうに見ている。
「……いいよ。矢野さんにあげる」
「え?」
「……お礼」
その言葉に矢野はキョトンとした顔をした。
「祐子さんに聞いたんだ。俺が刺された時応急処置をしてくれたって……だからそのお礼にあげる」