矢野さん
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――――――

　土曜日。

　今日は祐子さんは仕事の為、とりあえず仕事が終わるまで待って病院から出てきた所で渡す事になった。

　腕時計を見ると夕方の６時を回った時間。

「そろそろ出てくるな」

　そわそわする赤崎にそう言うと、赤崎が生唾を飲み込む『ごくり』と言う音が聞こえた。

　めっちゃ緊張してるし――。

　思わず吹き出しそうになるのを必死に堪える……。

　その時祐子さんが病院から出てきた。

「あ……」

　祐子さんの隣には矢野もいて思わず声が漏れた――。

「あれ？何やってるの？」

　祐子さんが俺達に気づくと近づいて来たが、矢野は遠くからこっちを見ていた。

「ほら。頑張れよ」

　そう言って赤崎の背中を押す。

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