矢野さん
「いや……橘は俺に付いてきてもらった……だけで……」

 ゴニョゴニョと下を向いて赤崎が言うと祐子さんが驚いた顔をした。

「ええ!?ないの!?」

 ゔっ……なんか俺怒られてるような気分――。

「じゃあ今から飲みに行くから橘くんの奢りね」

「え゙!?」

 ビックリして思わず祐子さんを凝視する。

「誕生日に一人は寂しいから今から矢野さんと飲みに行こうと思ってたの。丁度いいから4人で行こうよ。いいよね?」

 笑顔で言う祐子さんに赤崎が全力で頷く。

「いいっすね!行きましょう!よし行こう橘!」

 え!?まじかー!?

「矢野さん呼んでくる」と言って、離れた所で待っている矢野を祐子さんが呼びに行った。

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