矢野さん
「私の部屋見たことないくせに変な憶測して決めつけないでくれませんか?」

「綺麗に片付けてあるんなら無くさないと思うんだけど」

「綺麗に片付け過ぎて何処に仕舞ったか忘れただけです」

「片付け上手は片付ける物の場所が決まってるものだよ。それで分からないんじゃー矢野さんの場合は片付けてるんじゃなくて、押し入れや引き出しに詰め込んでるって言うんじゃない?」

「なっ!?」

 図星だったのか、それとも本当に片付けた場所がわからなくなっていただけだったのか……矢野は顔を紅潮させ俺を睨んだ。

「失礼な人ですね」

「初対面で人の事、気持ち悪いだの嫌いだの言う矢野さんに言われたくない」

「本当の事を言ったまでです」

「あっそ。俺も本当の事言っただけだから」

 お互い睨み合う。目を反らせば負ける気がして睨み続ける。

 マジこいつムカつく!

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